ディプレッションからの大脱走

ディプレッションから逃げている男の日記です。でも、きっと生きていればいいことあるよ♪

政治家の演説を、民衆は聞く義務はない(佐藤綾子の文章から)

「佐藤綾子、『小泉進次郎の話す力』、2010、幻冬舎」からになります。

 

 

概要

小泉純一郎元首相の息子ということもあるでしょうが、若くして自民党の政治家の中でも注目を浴びる小泉進次郎氏。

 

氏の他に、小泉純一郎元首相、オバマ元アメリカ大統領の演説についてのお話です。

 

著者・佐藤綾子氏について

まず著者・佐藤綾子氏のプロフィールです。

 

非言語研究の第一人者として、累計4万人のビジネスリーダーとエグゼクティブ、首相経験者含む54名の国会議員と地方議員のコンサルとスピーチ指導で、絶大な信頼を集めている指導者。日本大学芸術学部教授を経て現職。

引用URL:http://www.spis.co.jp/profile/

 

最新の情報としては、私は初めて聞きましたが「パフォーマンス学」なるものを主宰されているようです。

 

パフォーマンス学は、心理学、社会学・文化人類学、スピーチコミュニケーション学、演劇学を土台とした体系的理論と、豊富な実験データによって証明されたことばの表現(言語表現)だけでなく、言葉以外の表現(非言語表現)を駆使する、実践的な技法の両輪から成り立っています。

引用URL:http://www.spis.co.jp/performance/

 

本書も、そんな氏の研究活動の中から発表されたものです。

 

『小泉進次郎の話す力』の内容

小泉進次郎氏、小泉純一郎元首相、オバマ元アメリカ大統領の演説が理想的だとして、三氏の演説を分析しています。

 

一方で、三氏とは対照的に、演説が宜しくない人も何名か出てきます。動画が見られる方は、冒頭だけでも以下を比べてみるとよいと思います。

 

【小泉進次郎氏】

www.youtube.com

 

【菅直人氏】

www.youtube.com

 

場所も時間も季節も違うので一概に比較はできないですが、小泉進次郎氏の演説の方が周囲を巻き込んでいる印象を受けることと思います。しかし、話す内容だけでなく、立っている場所や人々との近さも含めて、演説の違いが見て取れるんじゃないでしょうか。

 

そんな小泉進次郎氏の演説・話し方のどこが良いのか、単に氏が若くて魅力的だというだけではない点も、著者の分析をもとに書かれています。残りの二氏についても同様です。

 

なお、菅直人氏の演説は本書でも良くないものとしてやり玉に挙げられていますが、著者は何回か本人に向かって指摘もしている、とのことでした。

 

本書で考えたこと

どういう演説が良いのか、詳しいことは本書をお読みいただければと思います。

 

ただ、私の政治的主張はさておいても、私が最近思うのは、政治家のせいなのかマスコミのせいなのかはわかりませんが、テレビなどで特に野党の話している映像を見ていると、もう不快に感じてしまうことです。

 

私は政治が好きなので、それでも何とかテレビなど出てきたらかろうじて見ていますが、大写しでひたすらネガティブキャンペーンをやっているように映っています。

 

元々暗い私が言うのもなんですが、さらに暗い気持ちになってしまうんですね。「我々日本は、そんなにダメなのか」と。

 

聞く義務のないひとに向かって話す演説

その点、以下はオバマ大統領の就任演説のくだりですが、演説などのハッキリ言って聴く義務のないお話の内容は、以下のような「高い」内容の方がやっぱり魅せられるし、聞いてみたいと思うんじゃないでしょうか。

 

 今回の大統領就任演説のなかで、三回以上繰り返されている「神(God)、平和(Peace)、霊・精神(Spirit)、自由(Freedom)、勇気(Courage)、希望(Hope)」、という六つの単語を並べて見ただけでも、そこには「脱官僚」「子ども手当」「最小不幸社会」などとは比べものにならない高い理念の力を、だれもが感じるはずです。これが、大統領就任演説というものです。

 政局でも会社でも、トップの演説には「高さ」が必要です。(P140)

 

もちろん、アメリカの大統領演説は聖書をバックに行われています。その点は日本とは全く違うので、アメリカで良いからといって、それを日本でコピーしてやるわけにはいかないでしょう。

 

でも、日本では聖書はなくても、論語や故事、また歴史の話などを使ってうまく表現した演説ができる政治家はやっぱり一流で、その点が小泉純一郎氏の場合はとても上手だったと、本書でも述べています。

 

小泉純一郎氏の政策については賛否ありましょうし、なにも演説がうまければよいという短絡的な結論にはなりません。実行力も必要でしょう。

 

しかし、支持を集めて何かを推進する目的があるのであれば、まず最初に自分の話を聞いてもらはなければなりません。特に政治家の場合は、「聞く義務が元々ない人」に向かってです(会社組織などでは、聞きたくなくても聞く義務を課せられる場合が多いでしょう)。

 

その点に与野党は関係ないと思います。でも、なんか、特に野党はもうちょっと何とかなるんじゃないのというところです。

 

ちなみに本書は単純に「与党の演説=良い、野党の演説=悪い」という図式ではありません。

 

故・田中角栄の演説の言葉から考える

余談ですが、故・田中角栄の以下の演説は、私にとっては圧巻でした。もちろん動画で見たのみですが。特に、民衆に語り掛ける演説です。

 

政治は一人ではできません!矢は三本、五本、三百本と束になって、戦後の日本を支えられたじゃありませんか!

引用URL:https://www.youtube.com/watch?v=D5t47lJeTE8

 

これでも、故・田中角栄は、政治家は演説よりも握手(人々との触れ合い)を重要だと考えていたようです。恐るべし…。その辺のお話は、確か以下の本に書いてありました。

 

田中角栄 巨魁伝 (朝日文庫)

田中角栄 巨魁伝 (朝日文庫)

 

 

私はこの頃は生まれていませんし、もちろん時代が今とは違います。

 

私にはわかりませんが、当時を過ごした人は「ただその頃は今より時代が良かったんだよ」なんて言うかもしれません。

 

でも、ここからは推測ですが、そんな時代だってその時代なりの問題はたくさんあったんじゃないでしょうか。

 

問題は色々あったけど、その「今より時代が良かった」というのは、そもそもこういう、田中角栄が発した活力を与えてくれるような言葉が飛び交っていたからなんじゃないかなと思ったりもします。

 

小泉進次郎の話す力

小泉進次郎の話す力