ディプレッションからの大脱走

ディプレッションから逃げている男の日記です。でも、きっと生きていればいいことあるよ♪

もう戻りたくはないけれど… 銀行で働いて鍛えられたと思うこと

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イナホです。

 

組織で働くことを辞める日が、一刻と近づいています。そこで今回は、ちょっと昔を振り返ってみるつもりです(ただし、過去に試しに書いたもののリライトです)。

 

私は新卒入社してすぐ、銀行に勤めていました。某都市銀行で、大体5年弱くらいです。

 

たぶん誰しも、もう二度と戻りたくない時期ややりたくないことって、あるんじゃないでしょうか。

 

私にとっては、銀行員として勤めていた頃と、浪人二年目がそのような時期にあたります。

 

でも、もう二度と戻りたくないとは思いつつも、今思えば結構勉強になったなぁなんて、振り返ってもみたり。

 

なお、偉そうなことを書いていますが、私はお世辞にもサラリーマンとして成功したとは言えません。

 

※ちなみに、以下は私の絶対的経験を元に書いていますので、「他の仕事と比較して優劣を考えたものではない」ことをご了承ください。

 

 

銀行でどのような仕事をしていたか

私は銀行の支店に勤務していました。そして支店の仕事というと、以下の3つの部門が主にあります。

 

  • 預貯金や手続きの窓口
  • 預貯金や投資信託などの個人向け営業(内勤・外勤)
  • 法人営業

 

私はその中で、法人営業でした。会社に出向いて銀行商品全般を扱う仕事です。でも、中心となるのはお金を貸したり、お金を預けてもらったりの交渉や手続きで、その次に集金業務が多いといった形でした。

 

窓口での仕事はしていない

たぶん、まだ学生さんだったり、銀行は個人でお金を預けたり引き出したりだけの関わりのみの人にとっては、窓口での仕事が思い浮かぶことと思いますが、私自身はそれはしていません。

 

でも、集金業務で会社から預かった現金は、窓口の部門に渡さないと処理できないので、内部では毎日のように窓口の方とも関わっていました。

 

なお、集金というと現金が思い浮かぶと思いますが、現金というのは普段目にしているお札や硬貨の他に、手形や小切手を含みます。そして法人相手だと、手形や小切手を預かる集金の方が多いです。

 

法人営業での業務内容

銀行の法人営業の仕事は、とにかく貸出先からの数字をできる限り頂戴することが重要でした。なぜかというと、貸出先や、その貸出先に貸出したお金のリスク判定を必ずしなければならないからです。

 

ちなみに、ここで言う「数字」は売上数字のことではなく(売上ももちろん大事ですが)、年に一回の確定申告書はもちろんのこと、都度の資金繰表やキャッシュフロー計算書のことです。では、「数字」を基に、何をするのか。

 

まずは、貸出先の「格付」を行います。そして格付から、その貸出先への貸出金のリスクが決まる、と考えて頂いて良いと思います。その他にも、貸出金額、担保や貸出期間など、貸出金のリスクを判定する要素はあるのですが、ここでは割愛します。

 

そうして、貸出先から頂戴した数字を中心にして、営業や交渉をグルグルグルグル繰り返す…みたいな仕事が中心でした。

 

少し突っ込んだ話をすると、より重要度の高いのは、業績が悪い貸出先の数字です。言うまでもないことかもしれませんが、「お金を返してくれない可能性が高い」からです。そういう貸出先に対しては、あら捜しをするように「数字」を要求します。

 

この辺りは、医者が死亡リスクの高い病気や患者ほど、綿密な検査をするのと同じ構図です。

 

そして私はと言うと、銀行にいた間の半分くらいは、こうした業績の悪い貸出先を中心に担当していました。カッコよく?言えば債権管理担当、俗っぽく言えば債権回収担当ということです。

 

大雑把に以上となりますが、銀行の仕事は話を広げるとかなりたくさんになってしまいますので、超基本的な仕事や考え方のみご紹介しました。

 

銀行にいたことで鍛えられたこと

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私は、銀行で働いた後、数社経験しています。営業が過半ですが、中には人事の仕事をしたりもしました。業種もそれぞれバラバラです。

 

でも、どんな仕事に就いても、ビジネスである以上は絶対に関わるのが「金」です。一方で、ビジネスに関わるトラブルも、すべては「金」に集約されると思います。

 

そして、まさに銀行はそんな「金」に関わるビジネスの一丁目一番地に位置しているわけです。そんなところで働いていた経験からは、特に「トラブル防止能力」が鍛えられていたと、他の会社に転職しても思いました。

 

金の詰めに細かくなった

銀行は、どんな仕事で1円ずれていても、机の中に1円が入っていただけでも、帰宅時に自分の机が開けっ放しになっていただけでも、犯罪者扱いされる世界です。

 

また、窓口で金額違ったら大変なのは想像つくかもしれませんが、法人営業の場面で外で顧客から預かったお金を、銀行に戻って確認したら1円違った場合でも横領を疑われます。また、即座に顧客に連絡をして、その日の予定はそっちのけで、まず確認と再集金のために再度訪問しなくてはなりません。

 

財布から出せば軽~い1円ですが、銀行員の感覚では1円もとても重いのです。1円の違いの火消しに半日かかるようなことを繰り返していたら、とても本来の仕事にはなりません。

 

銀行はそんな世界でしたから、その後どのような仕事に就いても、とにかく金の詰めに関しては、とても細かくなりました。ちょっとでも疑問点や不明点、不一致があると、「何?」「何?」みたいな感じで、きちんと一致するまで確認する癖がついていました。

 

ちなみに、そんな私が細かく正確にやっているのを見た後の転職先の上司からは、「あなたはA型ですか?」と聞かれましたが、何を隠そう本来の私は典型的なO型人間です。本来は大雑把な人間です。でも、仕事では典型的なA型人間に思われるようです。

 

その後に転職した仕事では、具体的な現金をやり取りする場面はなくなりましたが、見積書や請求書を発行する際には、こうした世界にいた経験が大いに活かされていたと思います。これらも、後でお金のやり取りが発生するわけですから、作業や納品の内容と請求金額が違っていたら、完全にトラブルの元です。

 

こうしたことは本当は当たり前ですが、でもその後の就職先では、意外と雑にやっちゃっている人が多いなと思ったのも事実でした。そして、そうした人が信じられないなぁと思ったりもしましたし、実際にトラブルばかりだった職場にいたこともありました。

 

もちろん、取引先によっては曖昧でもトラブルなく何とかなってしまうことや、ちょっと間違っても人柄や普段の付き合いで乗り切れる人もいると思います(ただし、何度もやっていたらさすがに信用を無くすと思いますが)。

 

もちろん、私は全くミスしませんと豪語するつもりはないです。でも、どんなビジネスでもトラブルの元は金に集約されると言っていいと思います。その点では、銀行で1円に神経を尖らせていた経験から、私はどんな仕事でもトラブルの火種が起こる可能性が低かったと言うことは出来ると思っています。

 

実際、私はその後の転職先で、それまでトラブっていた顧客ばかり渡されていたこともありました。過去の経験を、本当はそういうことに活かしたくはないんですけどね…。

 

細かい説明や交渉が上手になった

先に述べましたが、銀行での法人営業では一年中、会社から頂戴した数字とにらめっこしながらの毎日です。

 

特に、業績の悪い貸出先を担当していた債権管理の時などは、それこそ血眼になって数字を追いかけ、またそれを基に顧客と交渉していました。

 

通常の営業のというと

ただ営業というと、自社の商品・サービスの良さを分かりやすくアピールして上手く顧客を納得させ…という、花形の仕事のイメージがどうしても付きまとうことかと思います。

 

例えば以下のようなイメージでしょうか(もちろん、こんな紋切り型に上手にできる場面はほとんどないでしょうが)。

 

【普通の花形営業のイメージ】

私:これは新しい商品です。〇〇の新機能が加わった、当社が自信をもってお勧めできるものです。

顧客:なるほど、良さそうだね。でも、この商品の□□の部分について、もう少し教えてくれないかな?

私:いや~この□□も、実際に使用される立場に立って考案されたものでして、これで実に簡単に△△ができるようになったんですよ。

顧客:そうだよ、そういうのが欲しかったんだよ。で、いくらになるのかな?

私:普段お取引いただいておりますので、特別に¥***,***にてご購入いただけます。

顧客:…

 

そして、顧客が最終的に納得したかしないかは、実際に商品なりサービスを味わってみて初めて結果が出る…というのがおおよその形だと思います(もちろん、普段からの対応で顧客の満足度も変わると思いますが)。

 

私がやっていたのは、条件交渉が中心

でも、私がやってきたのは全く逆で、決算書や事業計画を基に、「貸出している金額を、月々どのくらいの金額を返済に充てられて、何年で完済できるか」という話ばかりでした。条件交渉のための話し合いが中心だった、と言えると思います。

 

そこで出てくるのは、以下のような会話のイメージです。

 

【銀行での条件交渉イメージ】

顧客:いや~そんなに毎月返せないよ

私:でも、この計画ではこのくらいの現金が出るわけですよね。だとしたら無理ない返済金額だと思いますが…

顧客:そうだなぁ…でも6ヵ月は現状の返済でつなぐ形でお願いできないでしょうか?

私: では、6ヵ月経って計画通りでしたら、返済額の増額をお願いしてもよろしいのでしょうか?

顧客:…

 

このような形を繰り返して、貸出先が納得した上での着地点に落ち着かせる仕事です。全くもって地味ですね。

 

加えて言えば、物販やサービス業とは違って、銀行が提供する「金」そのものは、どこから手に入れようと同じです。違うのは借りる際の条件面だけです(銀行そのものが提供する利便性や担当者のサービスの違いはありますが、「金」そのものは同じです)。

 

そして、着地点通りに返済できなかったら銀行側はきちっと約束通りに取り立てるし、それは貸出先もわかっています。よって、銀行の法人営業では交渉時に「相手も納得した条件に着地できたか」にすべてがかかっていたわけです。

 

それが出来ていれば、トラブルは少ないですし、出来ていなかったらトラブルになるのは目に見えています。

 

そうした状況下においては、相手に細かいことでも説明や交渉をし、確認を求めることがどうしても必要でしたから、それが上手になったかなと思っています。

 

もちろん、それはどのような業種においても、トラブルを未然に防ぐには大切なことでないかと考えますし、後の転職先でも結構すんなり出来ていたことだと思っています。

 

あまり細かいと、逆にうざったく思われることもあり得ますが。

 

 

もう戻りたくはないけれど、濃密な5年弱でした。